ホラー小説家 スティーブン・キング(1947年、米国メイン州出身)
彼の作品を基にした映画を
この1週間に4つ見ました。
まだ悪夢はみていません。
彼のノンフィクション作品
On Writing: A Memoir of the Craft (1999)で、
彼の生い立ち、それぞれの作品が書かれた背景など読んだ後だったので、
「ほう、あの経験がこのストーリーラインを生むなんて」と思いながら見ました。
見たのはこの4つ。
「キャリー(1976)」 原題:Carrie
体育の授業の後、キャリーがシャワー室で初潮を迎えるシーンから始まる。周りの女子生徒から馬鹿にされ、ナプキンやタンポンを投げつけられ、先生にやっと助けだされる。
いじめられっこのキャリーは、不思議な力を持っていた。彼女の怒りは、物体を動かし破壊する力を生むのである。
ある日、皆にいじめられる彼女に同情した女子生徒が、ボーイフレンドに、高校最後のダンスパーティーへキャリーを誘って一緒に出てあげてと頼む。
しかし、いじめっ子が会場で仕組んでいたいたずらはなんとも卑猥な行為であった。
ケリーの怒りは想像もつかない結末を呼ぶ。
「シャイニング(1980)」 原題:The Shining
コロラド州のロッキー山上のホテルが舞台。
小説家であるジャックは、執筆活動の傍らできる
ホテルの管理人の仕事をするため、妻と幼い息子ホテルに移り住む。
息子のダニーには不思議な力があり、見えない物が見えたり、人の心が読めたりする。そこで、ダニーがホテルで見たものは、階段から流れ出る大量の血や、双子の姉妹が斧で殺害された遺体など。
実は、このホテルでは、前の管理人が斧で家族を殺害していたのである。
そんな呪われたホテルで、孤独な執筆活動を送りながら、ジャックも化け物を見るようになり、狂乱していく。そしてとうとう、彼も斧を手に取ってしまうのである。
「ペット・セメタリー(1989)」 原題: Pet Semetary
メイン州の田舎町が舞台。
幼い娘と息子を連れた一家が引越した先は、ダンプカーの往来が激しい道に面していた。そして、家の隣には不気味な動物墓地が。
ある日、娘の愛する猫がダンプカーに引かれて死んでしまう。隠そうと必死の父親は墓地を管理する隣人から、ある場所に埋めるよう言われる。
その通りにすると、なんと翌日その猫が生き返って表れた。しかし、猫は恐ろしく暴力的に変容していた。
ダンプカーの往来はやむ事がなく、ある日幼い息子の命も奪ってしまう。そこで、悲しみにくれた父親は、ある夜遺体を墓の下から例の場所に埋めてしまう。生まれ変わった息子に再開できた父親とその家族に待っていたのは。。。
墓地での葬儀のシーンで一瞬、スティーブン・キングが牧師として出演しています。
「ゴールデンボーイ(1998) 」 原題:Apt Pupil
高校で優等生のトッドは、歴史の授業からホロコーストに興味を持つようになる。
図書館で文献をあさると、近所の老人がユダヤ人のガス室大量殺害を行っていた元ナチス兵であったことを突き止める。
学校では詳しく教えられない、恐ろしい真実を本人の口から全て聞きだしたいと考えたトッド。「語らなければ元ナチス兵であることを周りに口外する」と脅し、その詳細を毎晩語らせた。
トッドは、この異常なほどのホローコーストへの固執がもとで事件への巻き込まれていく。
この中で、トッドが殺害してしまうこととなるホームレス男性は、なんとLaw and Order Special Victims Unit の英雄刑事エリオットだったからびっくり。
この4つの作品に共通していることは、いずれも主人公が子どもであって、アメリカの良くありそうな場所(メイン州の田舎町、コロラド州のホテル、郊外の高校)が舞台となっていること。
上記のOn Writingでは、スティーブン・キングが貧しい子ども時代を母・兄と過ごした時の、様々な出来事がかなり鮮明に書かれています。彼の考える「子どもの敏感さ」が、それぞれのホラー作品に表れている感じがします。
それから、彼は幼いころに友人が電車に挟まれて亡くなったのを目の前で目撃したそうです。
自身は覚えていないらしく、作品への影響も否定しているそうですが。
スティーブン・キングは、「モダンホラー」(怪奇小説でなく)の第一人者とされているとのこと。
普段あまりホラー映画を見るわけでなく、「モダンホラー」の定義も分かりませんが、
ゾンビが出てくる映画とか、日本の「らせん(1998)」、「呪怨(1998)」とかで、怖いお化けがでてくるのとは違って、ストーリーの展開自体が恐ろしい感じです。
スティーブン・キングが書いたホラー以外の作品も、有名どころの「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」など、もう一度見てみようかと思っています。
それから、スティーブンキング作品週間を終えたところで、夫がふと小さいころに氏を見かけたことを思い出しました。彼のいとこがメイン州でスティーブン・キングの娘と同じ大学に通っていて、
卒業式を見に行ったらキング氏も来ていたとか。誰かが騒ぎ出したので、途中で退室していった姿しか見ていないそうですが。
2009年5月1日金曜日
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